部屋を片付けて気づいたこと
先頃、介氏に手伝ってもらい部屋の片付け&模様替えをしました。
介氏に感謝。
学生時代からずっと使用していたモノ+就職してから買い足したモノ など
4年分ごっちゃになっており、これらを一気に整理しました。
この作業で部屋の中の物量が約半分になりました。
余計なモノを処分したので気分的にもスッキリしました。
中にはまぁ・・・そりゃぁ思い出もあるモノもありましたがいつまでも執着していても仕方がない、もはや煩悩と変わりないので
決めて 断つ
断捨離の決断をして一思いに処分しました。
なんだか色々軽くなった気がします。
一方でこんなにもゴミが出るものなのかとゾッとしましたが・・・
で、整理してみると、部屋が広い広い。
1LDKの部屋がこんなにも広かったとは、引越して4年も経って改めて実感した次第。
・便利だから、使い勝手が良いからといってあちこちにモノを置かない
→利便性と整然さは違う
・収納スペースから溢れるような買い物をしない
→使わずに保管するものが多いから溢れる。モノの新陳代謝をきちんとする
不用品は廃棄orリサイクルへ
・あるべきものは在るべき所へ戻す
・部屋の核となる家具を決め、それを基準としてレイアウトを決める
→空間が増えるので部屋がスッキリして気持ちがいい。
やはり、部屋の中にごちゃごちゃとモノがあると落ち着きませんし、
なんとなく窮屈な感じがして、ストレスを感じます。
部屋の掃除とはとにかくエネルギーを使います。
整理整頓をサボり、ちょっとでも放っておくと散らかり放題。
部屋のエントロピーは増大していくばかりで、この宇宙に生きるモノとして熱力学第二法則からは逃れられません。
怠けた成れの果てがゴミ屋敷です。
この散らかりゆくエントロピーに逆らい、整理整頓された部屋にするには能動的にエネルギーを消費して行かねばなりません。
あー何かに似ていると思ったら、細胞も同じことをやってますね。
能動的にエネルギーを消費して、エントロピーの増大(死)に逆らい続ける細胞。
・細胞内の浸透圧調整
・膜電位の維持
・タンパク質等の生合成、老廃物の分解、排出
などなど、高分子化合物の集合構造体たる細胞は非常に不安定な存在なのでエネルギーをじゃんじゃん消費してその構造を維持しないとあっという間にバラバラに分解(死)してしまいますからね。
つまるところ、細胞レベルでも人間レベルでもスケールの違いこそあれ能動的にエネルギーを使ってエントロピーに逆らわねば快適環境にはならんということですね。
- 作者: ALBERTS,JOHNSON,LEWIS,MORGAN,RAFF,ROBERTS,WALTER,中村桂子,松原謙一,青山聖子,斉藤英裕,滋賀陽子,田口マミ子,滝田郁子,中塚公子,羽田裕子,船田晶子,宮下悦子
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2017/09/15
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る
さて、先日、本屋で雑誌を立ち読みしていて書いてあったのですが、
快適な部屋作りには3つの視点があるとのこと
①精神的快適さ
→落ち着ける空間であるか?安心できる空間であるか?
②肉体的快適さ
→リラックスでき、疲れをとることができる空間であるか?
疲れが溜まってしまうような部屋にしてはダメ
③社会的快適さ
→他人に見せても恥ずかしくない部屋、他人を入れても問題ない部屋か?
上記3項目の全てを満たす場合、その人にとっての快適な部屋環境ということらしいです。
いやぁ、ごもっともです。
結局とのところ、人生の大半を過ごすのが自分の部屋なのだから、快適な部屋作りというのは生活の質の向上に直結すると思います。
リフレッシュは完了したので、これを頑張って維持していかねばなりません。
ー敢えて聞く。お前に心はあるか。ー『機巧のイヴ』
SF時代小説というジャンルになりましょうか、ロボットと時代物という正反対の成分をぶっこんだ面白い小説でした。外連味の効いた舞台設定が特徴的で、
・天府城を拠点に国を支配する幕府
・女人にだけ帝位継承が許される天帝家
・オーバーテクノロジーの結晶、美女の姿をとった機械人形<伊武>
などなど他にも、歴史用語っぽくて作者の造語である“エセ歴史用語”がふんだんに出てくるところが本作のリアリティを増しています。そういった、それっぽい雰囲気のある作品が好きですね。
初めて『攻殻機動隊』や『エヴァ』を観たときと同じようなインパクトを受けました。江戸時代っぽいローテクの時代設定の中で超高性能人型機巧人形が存在するわけないじゃん!!とツッコミたくはなるのですが(笑)
さて、本作の重要人物たる幕府精錬方手伝にして機巧人形技師・釘宮久蔵の台詞に
ーさすがの儂も、心の内まで覗き込むことはできぬ。例えば完璧に人に似せた機巧人形があったとして、表面では人と同じように振る舞い、泣き、笑い、心豊かな人に見せかけていたとしても、それが本当に人間らしい感情から生まれてくるものなのか、それともバネは発条や歯車の仕掛けによって演じられているだけなのかは端から見ていたも、残念ながら儂にはわからぬ。実に興味深い。ー
と、ありまして、また、作中で何度か人間と機巧人形の違いについて交わされる場面では、読みながら高度な技術で生身の人間を模した機械に心は如何にして宿るのか?と少し考えさせられます。
生身の人間も、神経細胞という情報素子の集積体である脳で意識なるものが生まれるいるようですし、心なんて実体なきものの在り方について、『攻殻機動隊』を観たときと同じ感情になりました。以前の記事、「意識」の生物学的意義は、神経細胞の維持であるー『唯脳論』ーでも書きましたが、この手のSF作品は色々考えたりできるので好きですね〜
これ、アニメ化したら面白い作品だと思います。おそらく、『攻殻機動隊』っぽくはなるのでしょうけども。
生物学と人類学の2つの学問を繋げ‼︎『発酵文化人類学〜微生物から見た社会のカタチ〜』
ご無沙汰しております。
今回も表紙買いの一冊です。
「発酵文化人類学」とは、けったいなタイトルにしたもんですなぁ。
著者の造語なのですが、読んでみるとこれがまたよくできております。
ちょっと専門知識が増えてきた大学生が食いつきそうですね。
【要約】
・発酵とは微生物がヒトにとって有益な働きをしてくれること
・微生物のチカラを使いこなすことで、人類は社会を作ってきた←NEW
てんこ盛りの内容なのでざっと目次だけ抜粋します。
文系理系(主に人文系、生物・農学系)を問わず、興味を引くような目次であるように思います。
・ホモ・ファーメンタム~発酵する、故に我あり~
・風土と菌のブリコラージュ~手前みそとDIYムーブメント~
・制限から生まれる多様性~マイナスをプラスに醸すデザイン術~
・ヒトと菌の贈与経済~巡り続けるコミュニケーションの環~
・発酵的ワークスタイル~醸造家たちの喜怒哀楽~
・よみがえるヤマタノオロチ~発酵の未来は、ヒトの未来~
目次だけでも何やらオモシロそうな香りがプンプンしてきます。
前半)
発酵とは何ぞや?発酵というツールを手にしたヒトがどのように文化を築いていったか
中盤)
生物学の「生物におけるエネルギーの代謝」と人類学の「異文化間での交換儀礼」の2学問をミックスさせた少し難しい内容←個人的にはここが一番インパクトを受けた(以下、ちょこっと紹介)
後半)
伝統的発酵文化を見直し、現代の知識、技術でもって再構築する醸造家や杜氏の取り組み
◾️ヒトと菌の贈与経済~巡り続けるコミュニケーションの環~
筆者曰く、レヴィ=ストロース、マルセスモース、ベイトソンら文化人類学者の概念を組み込んでいくと
『自然と人間が渾然一体となって織りなす生命の贈与のネットワーク』
が生態系であることが再発見されるという。
この、生きているものの世界の環とは
レヴィ=ストロースの見た神話世界の原理であり、マリノフスキーが見たトロブイアンド諸島の交換儀礼であり、ベイトソンが見た精神と生態系を繋ぐネットワークであるという。
そして、文化人類学的側面から論じれば、
異なる世界に住むように見える生物たちが、レイヤーを超えて贈り物を交換し合う(=贈与する)ことで、結果的に生態系が出来上がっていく。そして互いに副産物を贈与し合うことにより、社会秩序が生まれる(生態系の環)というのだ。ふむ、なかなかに面白い考察です。詳しくは本書を読んでいただきたい。小難しい内容はこの章だけで、全体的には読みやすい内容で内容なので。
この章で述べられた、副産物を贈与し合う不等価交換の原則、微生物による全体的給付のあたりを読んで、漫画『鋼の錬金術師』最終話でのアルフォンス=エルリックのこの台詞を思い出しました。
『10もらって10返してるだけじゃ同じなので…
10もらったら自分の1を上乗せして11にして次の人へ渡す
小さいけど僕達が辿りついた「等価交換を否定する新しい法則」です
これから証明していかなきゃいけないんですけど』
鋼の錬金術師 完全版 コミック 全18巻 完結セット (ガンガンコミックスデラックス)
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2012/09/29
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学問的に正しい解釈かどうかは置いといて、生物学的視点からしか見れなかった微生物発酵と人類との関わりについてを別分野の知見でもってリミックスしたのが非常に面白かったですね。
また、筆者は章末に考察の元ネタとなった文献を紹介しており、気になった本をすぐ探せるようにしているのが好感を持てます。
以前、介氏がレヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」の話をしていたことがあったので、本書の内容は文理融合学問として介氏とがっつり議論できそうですね。
ちなみに、触発されやすい気質の茸氏は早速も手前味噌仕込みに興味深々であります。
てまえみそのうた: うたって おどって つくれる 絵本 DVDつき
- 作者: 小倉ヒラク,コージーズ
- 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
- 発売日: 2014/02/20
- メディア: 大型本
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世の中の99%の問題は筋トレとプロテインで解決する!そう、筋トレは宗教なのだよ。-『筋トレが最強のソリューションである』-
筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法
- 作者: Testosterone(テストステロン)
- 出版社/メーカー: U-CAN
- 発売日: 2016/01/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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お久しぶりです。
1ヶ月ばかりのご無沙汰です。
はい、今回のテーマは
筋トレ
いつも堅苦しいくそ真面目な本ばっかなので、今回は筋肉の話。
仕事でのイライラが溜まっている時に、書店で本書が目に留まりまして勢いで買いました。
内容としては
①筋トレで、人生の大体の悩みは吹っ飛ぶ。
②筋トレで、強いカラダ(筋肉)が手に入る。
③筋トレで、テストステロンの分泌量UPにより
自信&闘争心UP。
④人間関係、仕事関係と違い、筋肉は決して裏切
らない。自分の支配下に置くことができる。
⑤人間関係、お金、仕事等は一瞬にして失うことは
あっても、筋肉を一瞬で失うことはない。
なんという力強いお言葉!
タイトルだけ見ると、「なんだ、ただの脳筋筋トレ本じゃないの?」と思う読者諸兄だろうけど、筋トレの効能については一応筋トレだけに筋は通っているんですよね、これが。正論&正論。
なるほど、「世の中の99%の問題は筋トレとプロテインで解決する!」という一貫した主張にも納得がいく。
以前、人類進化と病気についての書籍(タイトルは忘れました)で
「我々ホモ・サピエンスは二本足で走ることに特化して進化してきた。つまり、生活の中で走ることを前提として肉体が設計されており、運動量が当初の設計値から大きく減少してしまった現代人の肉体で様々な疾患が誘発される事態となってしまった。」
という考察を目にしたことがありますが、ぱっぱり適度な運動強度が必要なんですね。メンタル的にも肉体的にも。
基本的には、日めくりカレンダーのような一問一答形式なのでサクサク読めます。
ほんと、仕事のことでウダウダ考えていたことがどーでもよくなりました(少しはね)。
かくいう茸氏も約1年半前からにジムに通っておりまして、トレーニング後は肉体疲労感はありますが、割と頭の中はスッキリしているので、本書の筋トレ効果には納得しかなかったです。
最後に、本書の中で特に気に入った箇所を一つ紹介します。
自信がない人は筋トレをしてください。
・身体がカッコよくなる
・異性にモテる
・テストステロン(男性ホルモン)が溢れて気分上々
・上司も取引先もいざとなれば力づくで葬れると思うと
得られる謎の全能感(←正直この全能感?は得てみたいw)
・恋人に裏切られてもバーベルがいるという安心感
以上の理由から自信がつきます。
さて、今後のジムでのトレーニングに精が出そうですね。
この運動習慣を死ぬまで続けれるよう、精進するのみです。
筋肉!筋肉!
トレーニング後のプロテイン摂取は謎の達成感が得られるんですよねぇ
我が内なるサメを探してー『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト』ー
- 作者: ニールシュービン,Neil Shubin,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/10/10
- メディア: 文庫
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先週、都内へ出かけたついでに、国立科学博物館で開催されている「卵からはじまる形づくり~発生生物学への誘い~」を観に行きました。
たった1個の受精卵から始まり、我々ヒト1人になるまでの発生過程を非常にわかりやすく展示してあり、大学も生物学を専攻していた茸氏も大満足の内容でした。
もともと、発生生物学には興味があり、大学でも勉強して「知ってた」つもりでいましたが、案外知らないことが多くて新鮮でしたね。
これだから国立科学博物館にはいつ行っても楽しいのだ!
高校生物で習う胚発生については、動画、実際の胚発生の染色標本、立体模型が展示されていて、いやぁ、これがもう、本当に素晴らしい!大学院を出た後でもなお魅入ってしまう濃い内容!
6/11まで開催されていますので、是非とも行ってみてもらいたい企画展です。
細胞の塊から複雑な生物体が作られていくのか?
①カラダ作りの基本は細胞塊から「管」を作ること
②神経管に沿った体節の繰り返しで複雑化
③脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)は生まれた後の姿形は
違えど、胚発生の一部の過程は非常にソックリ!
この部分をちょっと意識して観て回ると色々な発見ができて面白いと思います。
茸氏は博物館等に行った後、その展示に関する書籍を買って読むという癖がありまして、今回も発生生物学関連の書籍を漁りに書店へ足を運びました。
そう!見聞きしたものに影響されやすいのだ!
そこで今回の書籍「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト」が狙いすましたかのごとく特設コーナーに置いてありました。迷わずお買い上げです。
我々ヒトの複雑怪奇なカラダは如何にしてこのカタチに成ったのか?
本書では古生物学、解剖学、進化発生学、ゲノム学の成果を駆使してヒトの形に至るまでの生命進化のなんともたくましい増改築の歴史を見せてくれる。
驚くなかれ、精巧に作られたヒトのカラダだが、実際は太古の先祖より受け継がれてきたカラダの増改築と部品の転用、リフォームを繰り返してなんとか機能するようにやりくりしてきた結果なのだ。
なので、ヒトのカラダというのか完璧な美しい設計にはなっていない。
神経や血管の配線具合は迂回したり入り組んでいたりと、なんとも場当たり的に増設したようなのだ。
脊椎動物のカラダ作りの基本設計<ボディプラン>は魚類である!
魚類の持つボディプランを少しずつやりくりしながら発展させていくことで、両生類から哺乳類、ひいてはヒトに至る複雑怪奇なカラダ作りが実行されるのだ。
例えば、
・鰭のパーツを改造(骨を長くして腕に)して手脚を作る
・顎に使っていた一部の骨を転用して耳小骨を作る
・側線(水流を検知する器官)を転用して三半規管を作る
などなど、我々のカラダの中に内なる魚を見ることができるのである。
驚くべきは、脊椎動物のカラダ作りは魚類でのボディプランの変奏であり、太古の先祖より受け継いだボディプランというテーマをそのままに追加、転用、修正を繰り返してこれほどまでに多彩な姿形を生み出しているということ。
そう、ヒトもニワトリもヘビも魚のカラダの極端で壮大なバリエーションの結果の産物なのだ!
詳しくは本書で。
因みに、茸氏が最も興味惹かれるのは、頭の起源、鰓弓(咽頭弓)の変化です。
頭の形成は本当に複雑な大工事をしているんですよ、これが。
魚類で鰓を作るためのパーツであった鰓弓を進化の過程で、顎、顔面、耳(耳小骨)、喉、甲状腺などに転用していったのである。
魚類になる前の脊索動物(現生のナメクジウオ)であった頃は、海水と砂ごと吸い込んだ餌を漉し取る装置だった鰓裂が、長い脊椎動物の進化の中でナメクジウオもビックリの大変貌を遂げたのだ!
ありがとう、ナメクジウオのご先祖様!
あなた方が脊索や鰓裂といったカラダの基本設計を作らなければ我々は生まれなかったのだから。
極端な言い方ではあるが、ナメクジウオのボディプランの極端なマイナーチェンジによって、ヒトに至るまでの脊椎動物の複雑なカラダ作りが可能となっている。
そりゃぁ、0からカラダを設計するより既存のものをちょっとずつ修正していく方が楽ですよね。
レポート等のコピペ&ちょっとしたオリジナリティの加筆修正と同じですね(笑)