古典文学のカバーアルバム。 古典って結構おもろいやん‼︎ー「日本文学全集08」ー
茸です。
この前、書店でふと目に留まった「作家と楽しむ古典」という本を読みました。
森見登美彦氏が竹取物語を現代語訳するとのことで、軽い気持ちで読んで見ると、これが面白い!
作家ごとに現代語訳にそれぞれのクセや新解釈があって、古典への興味をそそるには十分でした。
特に、町田康氏の「宇治拾遺物語」の訳がずば抜けて面白かったので、それが収録されている「日本文学全集 08」を手に取ったのです。
収録は
・今昔物語 :福永武彦 訳
・発心集 :伊藤比呂美 訳
○
これらの本を読む前までは・・・
古典なんて貴族のやんごとなき日常とか、恋のうたとか、お説教じみた話ばっかだし、高校時代に習った古典はつまらん話ばっかじゃん。
おまけに現代語訳読んでもよくわからんし・・・
などと思っておりました。
読書後はというと・・・
古典おもろいやん‼︎
貴族も坊主も庶民も出てくる人物皆阿呆!
出てくる男は美人を見るとすぐに身分を問わずにそーいう行為に及ぼうとするわ、下ネタは満載だわ、阿呆なことで大盛り上がりするわで、(現代社会なら即警察沙汰ですがね)ある意味現代人よりぶっ飛んでる。
授業で習う古典は毒気のない無難な話だけだったんだと改めて思いました、そんなんじゃぁ古典に興味なんて持てませんよねぇ。
やっぱり、町田康訳の「宇治拾遺物語」はぶっちぎりで面白かったですね。
えぇ、あれはずるい。ちょっとクセになりそうですわ。
まあ、作家さんたちの現代語訳の技量なんでしょうけども(笑)
○
ちょっと真面目な話。
当時の人と死生観と言葉の価値観が随分と現代人と違うと感じました。
・すぐ人が死ぬ。それもあっさりと。
・恋しい、憎いといった感情で人ならざるものに姿を変えることもしばしば
・言葉には呪力がある
言葉に発して誓いを立てると、だいたいそれが現実のものとなる。
うっかり発言が命取りになることもしばしば。
説話集であるせいなのか、想いを込めた言葉を発すると、良くも悪くも巡り巡って自分や子孫にかえってきたりする(因果応報的な感じ)。
○
なんか古典文学と聞くと格調高い感じがしますが、全然そんなことなさそうです。
次は、森見登美彦氏が訳した「竹取物語」が収録された全集を読もうと思います。ハードカバー版はちょっと高いからKindle版が出てくれんかなぁ・・・