細かいことはどうだっていい!宇宙はそうなっている!ー「すごい宇宙講義」ー
昨年は重力波の観測に成功し、つい先日には地球から約40光年先の恒星系で地球型系外惑星が7つ発見されましたね。
3つの惑星がハビダブルゾーンにあり、生命の存在する可能性があるとされていますが、地球外生命の定義は何でしょうね?地球生命と同じシステムではない可能性は高いと思いますし、そのあたりをはっきりさせないと生命の検知はできないだろうと思います。
どうやって40光年先の惑星系へ探査に行くのかが気になるところです。マクロスに出てくる移民船団のようなものか?それとも宇宙戦艦ヤマトのようなものなのか?ロマンがありますよね。
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正直、物理は苦手です。今でも学問として勉強するのは気が進みません。
高校生の時、とにかく公式を覚えろと、公式の意味する内容もよくわからずに覚えようとして結局覚えられす、テストで撃沈。
それ以来、物理が苦手になってしまった。
数学の授業で微積分も習っていない時に、運動方程式とか酷だと思うのですよ・・・方程式の意味することがイマイチ分からなかったし。
ただひたすら、運動方程式など使って計算ばかりの物理の授業、目に見えない物理的な力をうまくイメージできなかったことも苦手となった原因だと思います。受験においては、得点効率が悪すぎたので、化学と生物選択でした。
ただ、勉強ではない知的好奇心としての物理や天文学、特に宇宙物理学には興味がありまして、相対性理論、超原理論、量子力学などといった本(非専門書)は学生時代に結構読み漁っておりました。勉強じゃないから楽しいんですよね(笑)
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本書はものすごくわかりやすい!
ブラックホール、暗黒物質、ビッグバン、宇宙創生に至るまで、物理学者や天文学者がどんな実験や観測をしてきたのかを、専門的な部分をサクッと説明してくれているのでスイスイ読める。ちょっと前の本なので、重力波発見については更新されていませんが。
宇宙物理学と素粒子物理学の分野って面白いですよね。
銀河の分布とか宇宙の拡がり方とかの極大の宇宙の理を解明しようとすれば、宇宙を構成する極小の素粒の理を解明することになる、マクロとミクロが表裏一体で繋がっているように思えるところが面白い。
遠くの星を望遠鏡で観ていたらぐるっと回っていつの間にか自分の後ろ姿が観えたようなものでしょうか。
学問的なあれとか細かいことは置いといて、実態があるようでないような量子論もいろいろ好き勝手考えてみるのも面白いです、ゲームやSF好きの自分にとってはグイグイ引き込まれる学問分野ですね。SF好きな人も同じではないでしょうか。
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本書とは関係ないのですが、自宅のPCで簡単に宇宙旅行ができるソフトが国立天文台から配布されています。
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Mitaka(ミタカ)は、太陽系・恒星・銀河データを基にした「4次元デジタル宇宙ビューワー」です。地球から宇宙の大規模構造までを自由に移動して、天文学の様々な観測データや理論的モデルを見ることができます。(Mitakaの動作にはWindows 8.1 / 8 / 7 / Vista / XP 対応のPCが必要です。)
http://4d2u.nao.ac.jp/html/program/mitaka/
特に、宇宙空間モードが楽しい!
しかも、マウスホイールを使えば空間ワープも思いのままですからね(笑)
高解像度自宅プラネタリウムです、観測事実に基づいて星々が再構築されているのでリアルに忠実なんですね、そこがいい!!
大宇宙にロマンを感じるそこのあなた!おすすめですよ!
http://4d2u.nao.ac.jp/html/program/mitaka/mtk_3D_mode.htm
「0.001秒の悪魔」を描いたギャグ漫画『ドミノキック 並べられたドミノをキックしたらどうなるのかしら?』
日常生活で、ある時ふと、この状況でもしこんなことをしてしまったらやばいことになるんだろうなーというような妄想をしたことはないだろうか。
(例えば、葬式中に坊主の頭を引っ叩いたらどうなってしまうのだろう・・・みたいな)
自分は結構そういうことがあって、そんな自分は危ないやつなのではないだろうかと思っていたのだが、案外、そういう人は多いようなのだ。多かれ、少なかれ、みんな経験があることらしい。
さよなら絶望先生の第199話(単行本20巻)では、似たような例で、「0.001秒の悪魔」として、ふと頭によぎる自己破壊願望が紹介されている。
今回、紹介するこの漫画は、この性質を強く持っていて実際それを行動に移してしまうという困ったお金持ちのお嬢様を主人公としている。そして、そのお嬢様に仕える執事が、お嬢様の衝動的な行動が目立たないように「フォロー」をしていく。そのフォローがあまりにも斜め上をいっていて、笑えてしまうギャグ漫画である。
もともとはニコニコ静画に無料で公開されていたもので、それに新しい話が加えられ単行本化されたのが本書である。現在も、無料で公開されている部分もあるので、興味を持たれた方はぜひ読んで見られたし。
続きを読むDynaMito Mitsukuniーダイナマイト 黄門様ー『光圀伝』
■破天荒黄門様
これほどまでに、水戸光圀を清濁併せ持つdynamicな人物として描いた小説はないだろう。
光圀という男はどう生きたのか?痛快に描いたのがこの物語だ。
「助さん、格さん、少し懲らしめてやんなさい!」
から始まるおきまりの勧善懲悪ストーリー。
時代劇でお馴染みの水戸の御老公こと徳川光圀。
実際のところは世直し日本漫遊は講談話の創作であることは皆さんもご承知のこと。
火のないところに煙は立たぬ。
もちろん、創作の元ネタになったと言われる逸話はありまして、それが、光圀の生涯をかけた仕事であります「大日本史」の編纂(光圀の時代から編纂を始めて、終えたの明治時代という大事業)のために、全国各地へ家臣を派遣したこととのこと。
まぁ、お堅い話はここまでにして、この光圀という人物の生涯を描いたのが「光圀伝」です。
■徳川光圀という漢
いやぁ、描かれている光圀公が強い強い(筋肉的な意味で)。
バイタリティが溢れすぎです。
黄門様のような好々爺のイメージとは全然違い、原哲夫が描くムキムキの武将のような人物だ。
で、脳筋でなく非常に賢く、将軍家や他の大名とやりあうだけの政治力が高い!
さらには、教養人としても名高く、公家とも親しかったらしい。
信長の野望で例えるなら、
武力:98
知力:97
政治:95
魅力:96
といった感じ。
■大河ドラマ化希望
『光圀伝』を1クールでいいから大河ドラマ化して欲しい。
南蛮人を通じて知り合った当時の中国人やアフリカ人を家臣にしたり、ラーメンを自分で一から料理して家臣に振舞って見たりとスーパーユーティリティプレーヤーとしての一面もある光圀公。
戦国時代が終わり、新しき徳川の世が始まった江戸初期に、徳川御三家が1つ水戸家藩主としてダイナミックに生きた生涯を是非ともドラマで観たいものだ。
初めて彼女を部屋に呼んだ時に一緒に見るべき!『ドキュメント太平洋戦争』(涙腺崩壊!号泣必至!)
こんにちは。
今日は、僕のおすすめのDVDを紹介しようと思います。
それは「ドキュメント太平洋戦争」。
1992年に放送されたのNHKスペシャルのシリーズをDVD化したものです。
何かで見てすごい感動したのを覚えていて、ついに今回DVDBOXを買ってしまいました!(Amazonで2万円弱です、安い!)
そして、あとから気づいたのですが、NHKの戦後証言アーカイブスで全部無料で配信されていました。
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まっ、まあ、テレビで大画面で見ると、すごい迫力あるし、多少はね(震え声)
第6集まで、あって全部ここで配信されているので、皆さん、無料で見れるので、ぜひ観てください!僕は、内容を語ることはしません!(やけくそ)
おすすめは、第4集のインパール作戦です。
全体としては日本軍の組織としてダメっぷりがこれでもかと描かれていて、涙腺崩壊間違なしです!
女の子と一緒に見たら、いいムードになること間違いありません!
僕も、いずれチャンスがあったら、一緒に観てみたいなと密かに思っています。
では、また。
脳が創る感覚、そこに実体は在るか?ー『触れることの科学 なぜ感じるのか どう感じるのか』ー
茸氏、このところ小説書評が続いておりましたので、今回は理系本です。
感覚というものは人それぞれに異なるもの。
「私の視ている赤とんぼとあなたが視ている赤とんぼは、果たして同じ『赤とんぼ』なのか?」
否。
私が視ている「赤」を他人は「橙」と視るかもしれないし、逆もまた然りです。
これは視覚についての例ですが、嗅覚、味覚、聴覚、触覚についても同じです。
人によって感じ方(反応域)と感度が異なります。
このような知覚や認識というのは主観的な概念感覚でありますので、他人が客観的に評価することは非常に困難を極めます。
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
今回はこの五感の中でもとりわけややこしい「触覚」についての内容になります。
触覚:熱い、冷たい、圧力、痛み、快感、痒みなど
各感覚についてはそれぞれの専用神経が用意されておりまして、種類は違っていても、やっていることは同じです。
各神経が受容した様々な外界情報を、脳の共通情報処理言語すなわち電気信号(活動電位)に変換し、脳へと送ります。
ただし、各受容器から情報が送られてくるだけでは、外界は知覚されず、受容器から送られてくる情報を脳が複合的かつ高次的な処理を施してはじめて感覚という認識が生まれるのです。
外界がどんな状態なのか?つまりは、環境情報を感知するのが、視覚、聴覚、嗅覚、味覚であるとするなら、自分がどのような状態にあるのか?を感知するのが触覚です。
一般的に、触覚というとまず思いつくのは、痛み、熱、圧力、痒み、質感などといった日常的に感じる感覚だと思います。
痛み、熱、圧力、質感、快感の受容に関してはそれぞれに対応した専用の神経細胞が割りてられ、皮膚の下に埋め込まれておりして、人によってこれらの神経終末(感覚センサー部分)の密度や発火頻度(感覚のボリューム)が違うため、感じ方が異なってきます。
面白いことに、触覚について痛み・圧力・温度・快感の感覚にはそれぞれ対応する専用のセンサーと神経繊維が配備されいることが判っているのですが、どうも痒みの感覚だけはよく判っていないようです。
「痒み神経からの入力で痒みを感じる」みたいな単純経路ではなさそうなのです。
どうも痒み受容体(センサー)も1つではなく、複数種類あるようで、おまけに痒み情報を処理する脳内ネットワークも複雑だと見られています。
この煩わしい感覚の究明は「痒いところには手が届かない」状態であるようですが、早く究明してほしいものです。
そして、脳に送られた触覚情報はまず視床でざっくり下処理された後、大脳皮質の情報元に対応する部分(感覚野)に送られて処理されて触覚として知覚されます。
筆者はとりわけ快感、愛撫感覚やオーガズムに関して多くのページを割いて科学的に解説しておりまして、まぁ、あまり生物学の教科書には載らない内容でしたのでなかなかに興味深いものでした。
この他にも、無意識下の触覚があり、実はこの無意識下の感覚が自己の確立に重要な働きをしております。
極端なことを申しますと、脳の仕事というのは、意識を作り出すことではありません。
感覚神経から入力される様々な外界情報を迅速かつ適正に処理し、筋肉(運動器官)に指令を出力し、反応行動を起こすことです。
神経系のメイン機能はこれでありまして、進化に伴う脳の複雑化と巨大化の結果、意識という複雑な情報処理の産物が生まれたのでしょう、オマケみたいなものです。
膨大な数の神経細胞が繋がった巨大な神経ネットワークの活動そのものが意識を生み出すのなら、現代のインターネット上にも意識のようなものが生じても可笑しくはないのかもしれませんね。
そういえば、『攻殻機動隊』にそんな感じの話があったと思います。
すみません、少々脱線しました。
無意識下の感覚が何故重要かと言いますと、末端からのフィードバックがなければ脳は「自分のカラダ」を認識できないからです。
脳が運動器官に指令を出力した後、筋肉が緊張しているのかor弛緩しているのか?皮膚は引き延ばされたりor圧力がかかったりしているのか?などの運動器官や体表感覚のフィードバックがないと、出力した指令が適切であったのかがわかりません。
常に身体位置のフィードバックがあるため、私たちは歩いたり、コップを持ったり思うままにカラダを動かすことができます。
結局は、脳が「触覚」として認知しない限り「触覚」という感覚は無いのも同じということです。
脳で感覚が生ずるということは、実際に感覚神経からの入力が無くても、脳が勝手に「感覚がある」と認識すれば当人にとってはそれが現実となります。
幻視、幻聴、幻肢痛などは脳のそうした勘違いが原因と言われています。
視・聴・味・嗅覚によって脳内に再構築された世界(外界)と、その中に触覚(身体位置)により輪郭のはっきりした個体を認識する神経ネットワークが自意識なのではないだろうか?
本書を読みながら私はそんなことを考えておりました。